早速ではありますが『お金』とは何でしょうか?
このことを考えるうえで、『お金』に関する問いを2つに分けて設定しておくことが重要です。
一つは、『お金そのもの』について。
もう一つは、『お金を稼ぐ』ということについて。
『お金を稼ぐ』ためには、稼ぐ対象のお金自体が何かを理解しておかなくてはなりません。
しかし、往々にして(昔の僕が典型的ですが)『お金を稼ぐこと』にだけ頭を使い、『お金そのもの』を理解しようとしなかったために、『お金』の実態が見えずひどく不自由な考え方になっていました。
狩りをするにも、狩る対象によってその方法は千差万別です。
”何を”狩りたいのかを知らなければ、”どのように”狩るかを理解することはできません。
これを読んでいる貴方は何を狩りたいでしょうか?
そのために、少しずつ、一緒に考えていければと思います。
牛乳瓶の蓋のために掃除する小学生
さて、まずは『お金そのもの』について考えることにしたいと思います。
経済学を学んできた方は聞いたことがある話かもしれませんが、まずはこんな話があるので、聞いてください。
(僕自身は社会学を学んでおり、こうしたお金に関する”学”は全くありませんでした)
佐藤雅彦さんという方がおられます。
だんご三兄弟や、ピタゴラスイッチの生みの親の方ですね。最近は現代芸術もされているようですが、もともとは広告代理店で働いておられた方の話です。
佐藤さんが、小学校のころ、牛乳瓶の蓋、紙でできたものですね、これをコレクションすることがクラス中で流行りはじめたそうです。
あるクラスで始まり、それは最初は蓋の数、何枚持っているか、ということが一種の競技のように生徒間で争われ、次第に蓋のデザインや希少性も争われるようになったそうです。
やがて、牛乳瓶の蓋は、各生徒がビニール袋いっぱいに集めるようになりました。
さらにこの現象はエスカレートし、「掃除当番の代わりになってくれたら、この蓋を君にあげる」と、一種の通貨のような働きまで持ち始めたそうです。
面白いのは、こうした一種の流行が、ある日突然終わったことです。
そのきっかけは、当時のクラスの転校生のひとりが、知り合いの牛乳配達屋さんにお願いをして、これまでの生徒たちの規模を遥かに超えた蓋をもらってきたことだったそうです。
これまで、必死に蓋を集めていたのが、突如ばからしくなり、皆急に醒め、なんとなく蓋に熱中していること自体が恥ずかしいことのように思えてきたそうです。
その日以来、蓋が持っていた不思議な価値は消えてなくなり、やがて皆、ごみ箱に捨てられてしまったと言っておられました。
さて、この話ですが、似たような経験を皆さんもされたことはあるのではないでしょうか?
僕自身の経験を振り返ると、ドラゴンボールのメンコが似たようなコレクション対象として、校内で盗難が起こるほどブームになったことがありました。
今になって振り返ると「子供らしいバカな行動だなぁ」と思うかもしれませんが、しかし、過去「バブル」と呼ばれる熱狂的景気も構図としてはこれと全く同じであることに気づくかもしれません。
「あんなにモノ(土地であれ、株であれに無限の価値があると思うなんて、バカだよなぁ」と。
つまり、対象が何であれ、「皆がこれを欲しがる」というお互いの暗黙の了解が、その対象の価値を作り出している、という構図です。
似たような話は歴史を紐解けば、いくらでもサンプルを上げることができます。
例えば、人類の最初のバブルと言われることもある、オランダのチューリップ・バブル。
これもチューリップという単なる花が、皆にとって価値があるに違いないという暗黙の了解、ないし思い込みによって、チューリップの一株がとんでもない値段になりました。
そして、ある日突然、「そんなに価値なくない?」という誰かの気づきにより、バブルが弾けてしまったのです。
お金のキーワードは『信頼』
では、皆さんが毎日汗水垂らしてもらっているお金?これはなんでしょうか?
これを考えるために、試しに一度一万円札を手に取ってみてください。
そこには、『日本銀行券』という記載があるのがわかるはずです。
この紙も、基本的には佐藤さんの牛乳瓶の蓋の話と全く同じで、一万円札も単なる紙(チケット)であることには変わりはありません。
(ちなみにですがこの話、実はこち亀にも似たような話が書かれています。)
この紙で、「大体これくらいのモノと交換してもらえる」というお互いの『信頼』があって始めて、この紙は今『お金』として認識され扱えるようになっているのです。
ただし、ひとつだけ違いがあるとすれば、この紙は単なるクラスメイト間の合意というものだけではなく、日本銀行(日本政府)がこの紙に価値がありますよ、と言ってくれているという点が挙げられます。
私たちは、一万円札の価値を日本が担保してくれていると信頼しているから、一万円札は単なる紙ではなく「お金」として機能することができるのです。
つまり、言い換えると『お金』とは、『互いに価値があると信頼しているモノ』ということができます。
ですので、『お金』とは紙であっても、チューリップであっても、牛乳瓶の蓋のあっても基本的は実はそれほど差異はありません。
ただ、『誰が』その価値を保障しているか、という点が大きく違うわけです。
この『保障している誰か』が十分『信頼できるひと』である限りにおいて、この『モノ(お金)』の価値は、きちんと担保されるといえるでしょう。
逆に信頼のおけない誰か、が価値があるといっても全くの無駄なわけです。
例えば、僕が、『日本俺銀行券』という紙を印刷して、100万ドルの価値があるぜ、といっても聞く耳を持つ人はいないでしょう。
それは、単純に僕と日本という国との、信頼できるできないの差であるということです。
逆に、怪しい占い師がそこらの壺を「100万の価値がある」といったとき、僕にとっては意味がないですが、信者の方にとっては意味があるのでしょう、
それは不思議なことに「100万円の価値」のモノになってしまうのです。
ここまでのことをまとめると、お金とは、「『(モノを交換する同志それぞれにとって、信頼のおける誰かが、価値があるよと担保している『何か』である」と言うことができるでしょう。
そして、「私は貝になりたい…」
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恋人同士のような感じになります。
可愛らしさの中にある大人の凛とした姿と
色気に触れていただき最高のひと時をお過ごし下さい。
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